2nd-trap:事実は小説よりも奇なり

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『でも、それにしても妙ですよね。 龍崎尚』 「なんで?」 『お嬢様……。 お嬢様は金銭感覚がズレているので、お分かりになられないかもしれませんが、あのマンションは、相当な値の張るマンションでですね……』 「おー、ひよこじゃん」 「……っ!?」 突然後ろから声をかけられて、思わずスマホを取り落としそうになる。 そのままグルリ、と振り返ると、噂の張本人がいて慌ててひよりは牧との電話を切った。 「な、な……!」 「そんなびっくりするかぁ? 何も電話切らなくてもよかっただろうに……」 ひよりの過剰反応に面白がっているような半ば呆れたような顔で尚は苦笑する。 そのまま、トントン、と一段一段階段を下りてひよりの傍まで来ると、じーっとひよりを見つめた。
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