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「な、なに…?」
「お、敬語じゃなくなってんじゃん。
だから言ったのに、敬語じゃなくていいってよ」
「……だって、あの時は年上だと思ってて…」
「へー?俺が?」
「だって、髪の毛茶色だし、ピアスしてるし。
大学生かな…と」
「あー、髪は地毛なんだわ。
学校に申請までさせられてんだぜ?
まぁ、嫌いじゃねえけど。
ピアスは違反だな、よゆーで」
尚はピアスに指をひっかけて、ニ、と笑う。
笑うと顔がくしゃっとなるタイプみたいだ。
「じゃあ、ダメじゃん…」
「ダメだなー」
全然反省してないし……。
半分責めるように尚を見るも、尚には気にした様子もなかった。
それより、ひよりの話半分に尚は外の世界にいつの間にか目をやっていた。
春の風が尚の髪をなでて、ふわりと髪を後ろ側に持っていく。
鼻も高くて、綺麗な骨格しているだな、と今更ながらひよりはそう気づいた。
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