2nd-trap:事実は小説よりも奇なり

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「な、なに…?」 「お、敬語じゃなくなってんじゃん。 だから言ったのに、敬語じゃなくていいってよ」 「……だって、あの時は年上だと思ってて…」 「へー?俺が?」 「だって、髪の毛茶色だし、ピアスしてるし。 大学生かな…と」 「あー、髪は地毛なんだわ。 学校に申請までさせられてんだぜ? まぁ、嫌いじゃねえけど。 ピアスは違反だな、よゆーで」 尚はピアスに指をひっかけて、ニ、と笑う。 笑うと顔がくしゃっとなるタイプみたいだ。 「じゃあ、ダメじゃん…」 「ダメだなー」 全然反省してないし……。 半分責めるように尚を見るも、尚には気にした様子もなかった。 それより、ひよりの話半分に尚は外の世界にいつの間にか目をやっていた。 春の風が尚の髪をなでて、ふわりと髪を後ろ側に持っていく。 鼻も高くて、綺麗な骨格しているだな、と今更ながらひよりはそう気づいた。
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