1st-trap:縁は異なもの味なもの

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「ねぇ、牧。 お父様怒ってた?」 「旦那様がですか? なぜ?」 「私、無理やり押し切っちゃったじゃない? 独り暮らししたいって」 「あぁ……。 でも、ひより様。 それは、ひより様の今後の未来との交換ですからね。 旦那様も分かっていらっしゃいますよ」 「……そうかな」 ひよりは、牧の気遣いとも取れる微妙な反応に苦笑した。 そうだ、これは楽しいだけの日々の始まりじゃない。 私の、人生で唯一の自由の時間。 それを私は、人生をかけて買ったんだ。
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