1st-trap:縁は異なもの味なもの

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「一年か……」 「……」 渋い顔をする父の前で、ひよりはぎゅっと目を瞑った。 やっぱり無理かな……。 心のどこかで弱腰になっている自分がいる。 父は天下の木之瀬のトップだ。 いつだって自分の信念を曲げたことなどなかったし、ひよりの意見が通ったことなどなかった。 また、どうせ、きっと……。 「いいだろう」 「え?!」 父の言葉に驚いて顔をあげると、隆文はなんだ、文句でもあるのかと言いたげに眉を潜めた。
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