1st-trap:縁は異なもの味なもの

9/21
前へ
/149ページ
次へ
「い、いいんですか…!?」 「私はいいだろう、と言ったつもりだったが。 同じことを二度は言わん」 「お、お父様……!」 「それに。 相手側も、ひよりが18になるまでは待ちたいと言っていてな。 ちょうどいい機会だ。 お前が社会勉強をするのも悪くはないだろう」 「……!」 ひよりの意見というよりは、どちらかというと相手側の意見が大きかったようだが、そんなことはどうでもいい。 ひよりは父の言葉に心の中でガッツポーズを取った。 言ってみて良かった。 ひよりの力ではないにしても、それでも自分の自由を得ることができたのだ。 一生分の運を使ったと言っても過言ではないくらい、ひよりにとって奇跡に近い幸運だった。
/149ページ

最初のコメントを投稿しよう!

884人が本棚に入れています
本棚に追加