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授業を終え、春香と夏美は談笑をしていた。
夏美は不動産会社をいくつも運営している父親と、日本舞踊の師範を持っている母親と、同じく父親の不動産会社で勤務している15歳年上の兄の光と二人目で大学生で5歳年上の兄の彰がいると話していた。
春香は一人っ子だったから、物凄く羨ましく思った。
春香は夏美と話していると「新見さん、気を遣わないでくださいね?」といきなり夏美に言われ「えっ?!そっそうかな??」と言いながら、春香は慌てた。
夏美が「はい。リラックスですよ」と言い、微笑んだ。
春香はそんなつもりはなかったが、千晴にはいつも気を遣っていた。
春香が「そんなつもりじゃ…」と言いかけると「ねぇ春香ぁ、聞いてよ!!この間仕事をしていたんだけどさぁ、モデル仲間の山野くんに告白されちゃってぇ♡参ったわよー。あっ!良かったらお二人さん、紹介しよっか?」と言うと「ありがとうございます。でもお気持ちだけ、受けっておきますね」と言い、夏美はお辞儀をすると更衣室へと向かった。
千晴が「何、アイツ。ムカつく…」とぽつり呟きながら、指の骨を鳴らすと「あっあのさ、私‥行こう…かな?」と春香が気を使って言うと、一瞬だけ小馬鹿にしたような笑みを浮かべ「わかった♪春香、ゴールデンウィークのときにお出かけしよっ!ねっ?」と言うと、手を握りしめた。
春香は、千晴に男性が苦手なのことを話していなかったため、内心激しく後悔をした。
憂鬱のまま、更衣室で着替えていた。
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