【2】

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車に乗り込んで、Butterfly≠Knifeの話で盛り上がった。 「へぇ…女なのに、好きなんだね」と照夜が言うと「まだファン歴は浅いですけれど、マキシシングルとかアルバムのジャケットをCD屋で購入するのが恥ずかしいから、もっぱら通販とかフリマアプリで買ってます…」と言い、春香は微笑んだ。 春香は、Butterfly≠Knifeのファンが身近にいるだなんて思ってもみなかった。 ツアーに行きたいけれど、男性ばかりだし過激なライブだしいつもライブDVDやプロモーションビデオを、母親に内緒で一人で見ていた。 照夜が「実はさTasukuさんとYu_naは、後藤先生が教えていた元生徒なんだって。後藤先生が自慢げに教えてくれたよ」と話すと「えー?!ゴリ…じゃなかった。後藤先生、凄いなぁ…」と慌てて春香は言い直すと「今、ゴリっつったよな?」と言い、照夜はニヤリと笑った。 春香が「言ってないですよ!」と言うと「うんうん。確かに、ゴリラっぽいよなぁ…」と言い、照夜が笑うと「でしょ〜?ゴリってさぁ…あっ…!!」と言いながら、春香が慌てて口を押さえると「はい、誘導尋問に引っかかりましたな?」と言いながら、照夜は意地悪そうな顔をして春香を見た。 春香はしどろもどろになりながら「あっあの!ゴリ…じゃなかった!後藤先生にはくれぐれも内緒にしてくださいね…?」と言いながら、俯いた。 照夜は笑いながら「アハハ…ゴリかぁ。大学時代から世話になってっけど、昔っからそう呼ばれてたよ。懐かしーなぁ。」と言うと、春香も釣られて笑った。 途中のコンビニエンスストアでジュースとタバコと春香が大好物だという食べきりサイズのお菓子と飴を購入し、またしても車を走らせた。 春香がお菓子を食べていると「お前ばっか食ってるけれど、俺にも頂戴よ」と言い、口を開けた。 春香はドキドキしながら、口元にお菓子を運ぶとお菓子で頬を突っついた。 照夜が「あのは、くひあへへるの。はかひはいはん」と言うと「あはは♪先生、そこは口を閉じて喋りましょうよ」と春香が笑いながら微笑んだ。 「そりゃそうだったな。つか、今、突っついただろ?」と言うと「ゴメンなさい!はいどうぞ♪」と言い、春香はお菓子をあげた。 「んっ…サンキュ♪」と言いながら、お菓子をモグモグと噛んでいた。 その様子が昔飼っていたモルモットみたいだなぁと思いながら、春香が見つめていた。 「んっ?あに?」と言いながら食べ終えると、タバコを咥えて火を着けた。 春香はその姿にドキドキしていると、ツツジ公園へと到着した。 照夜は車から降りて、背伸びをしてから首を左右に動かすと骨を鳴らした。
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