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春香が目を覚ますと、照夜がパイプ椅子に座りながら春香を見つめていた。
「あっ…あれ?私…」と言うと「……さっきは、悪かったな…」と言いながら、俯いて頭を掻いた。
春香が「あっ…いえ…私も、その…あっあの…スミマセン…でした…」と言うと「ったく。そんなんじゃあ、試合とかでプレッシャーに負けンぞ?」と言い、春香を見つめた。
確かに部活では活躍出来るほど力が出せるのに、いざ試合となると男性の観客の目が気になって結局本領発揮が出来ないまま、悔し涙を幾度となく泣いてきた。
春香が「塩田先生には、わからないんですよ…」と呟きながら泣くと「あー。わかんねぇな。そんな生半可な気持ちで、部活に来て欲しくないね。」と言うと、後ろに手を回して仰け反るとしばらく二人とも黙っていた。
「ハッキリ言ってお前みたいなのがいると、邪魔なんだよ。」と言い、照夜は立ち上がると保健室を出た。
春香はだんだんと悔しくなってきて「あー!!ムカつく!何なのよっ!!こうなったら、やってやろうじゃないの!」と言い、涙を拭き取ると気合を入れる意味で自分の頬を叩いて、保健室を出た。
その様子を養護教諭の保科友子先生が、心配そうに見つめていた。
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