【5】

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あれから母親はスナックを辞め、ハローワークへ行こうとしたところ保険レディにスカウトをされて、保険レディとして働くことになった。 スナックで(つちか)ったコミュニケーション能力が開花し、中々の好成績だった。 藤村とは奥さんとも別れると何度も言っていたが一向に別れる気配はなかったため、キッパリ別れた。 二週間に一度、春香の通っている高校の最寄り駅近くにある心療内科にも通院し認知行動療法や処方された薬を飲んだり、春香と待ち合わせて一緒に買い物をすることでお酒を少しずつ断つことが出来た。 あれから母親はガラリと変わり、すっかり仲良し親子で何でも言い合えるようになっていた。 この日の次の日は、とある人と大切な話をするからと出ていった。 春香は全部の部屋を掃除し終え、皆と待ち合わせていた駅へと向かった。 「あれ?はあちゃん?」と、何処からともなく明康の声がした。 春香は一瞬ビクッとして辺りを見渡すと、クラクションを軽く鳴らされ、春香が振り返ると「今晩ちは♪何処行くん?良かったら、送るよ」と言い、明康はニカッと笑った。 駅までバスで行こうかと思っていたから、春香はそのご好意に甘えて駅まで送ることにした。 車内では、BLOOD×BLOODの曲でStupid boyが掛かっていた。 春香が「あっ…この曲、BLOOD×BLOODですよね?」と聞くと「よくわかったね!カッコイイよね♪」と言いながら、明康は嬉しそうに微笑んだ。 「Dieの奴、才能があるのにバカなことしたよねぇ…」と言うと、怒りながら話してくれた。 「ドラムのNoaさんって、てっきり男性かと思ってました」と春香が言うと「だよね!スタイルも顔もパフォーマンスも良かったけれど、今はButterfly≠Knifeのサポートドラマーだったり都内でハードロックカフェ・ブラッディエンジェルをやったりしていて、肝っ玉母ちゃんみたいになっちゃってンだよね」と言い、明康は苦笑した。 駅に到着し、春香が深々とお辞儀をしてお礼を言うと「いいって♪ウチのがいつもお世話になってるし。またねー♪」と言うと、明康はクラクションを軽く鳴らして戻っていった。 春香が待っていると、無料通話アプリの通知音が鳴ったから見ると『あと1分ちょいで着くけれど、西?それとも東?』と美冬からメールが来たから『西口だよ♪皆、一緒?』と返信をして、春香は待っていた。 春香はドキドキしながら、待っていると「はるちゃん♪」と言う声がした。 春香が振り返ると、夕実が立っていた。 「あっ♪夕実さん、こんにちは♪」と言いながら、微笑むと「こんにちは♪何処かお出かけ?」と言いながらジュースを買うと、春香に渡した。 春香はお礼を言うと「いいんだよ〜♪」と話していると「こんちは♪この間は、どぉも♡」と言い、この間クリーニング店にいた男とスキンヘッドの男とかが立っていた。 春香は一瞬ビクッとなり、怯えていると「何?何か用?」と言い、夕実が春香を守るように立ちふさがりながら男性たちを睨んだ。 クリーニング店にいた男が「おーおー姉ちゃん、怖いねぇ♪そんな顔しねぇでさ、俺たちとデートしない?」と言いながら微笑むと、夕実の手首を掴んだ。 「っつ…!離しなさいよっ!!」と夕実が一瞬苦痛の表情をすると「姉ちゃん…あんま俺らを怒らせねぇ方がいいと思うよ?」と言うと、男はさらに力強く夕実の手首を握った。 「んくっ…!アンタたちなんかに…アンタたちなんかに負けるモンかっ!!」と言うと、男の腕を引いてお腹を思いきり蹴り飛ばした。 男が手を離しながらよろめくと「クックック…いいねぇ♪女だからと言って、甘く見てたわ…そっちがその気なら、こっちも容赦なくいくからな?」と言い、夕実に近づき思いきりビンタをした。 春香が「言うことを何でも聞くから、もぉヤメテくださいっ!!」と言いながら夕実に近付くと「先に手ェ出したのは、その女だぜ?最初っから言うことを聞けば良かったンだよなぁ?」と言い、春香の手首を掴んで車に乗せられそうになった、そのときだった。 「何をしているのですか!!」と夏美の声がした。 春香はその声がした方を振り返ると、夏美が近づいてきた。 「おっ♪こっちも悪くねぇなぁ…?」と言い、春香の手を離した。 その隙きに春香は夕実に駆け寄ると、美冬と秋穂が「二人とも、こっち!!」と言い、手招きをしていた。 夏美が「本当は、あまり手荒なことはしたくはないのですが…」と言い、目を閉じて深呼吸をしたあと髪の毛をシュシュで縛ると、男に微笑みながら歩み寄りビンタをした。 男が「てっ…てめぇ…」と言い、殴りかかろうとするとさらりと交わして、後ろに回り込むとエルボーをした。 その拍子に、男が倒れそうになると「そんなにか弱い女性に群がって楽しいかしら?」と言うと、夏美は顔を思いきり蹴り飛ばした。 男が「すっ…すいやせんっ!」と言いながら、手で血が出た鼻を押さえていると「嫌がる女性を無理矢理連れ出して、どちらへ行こうとしていたの?」と言うと、またしても微笑みながら股間を蹴り上げようとしていた。 スキンヘッドの男性が「アッ…アニキぃっ!!」と言いながら、男を連れ出そうとしていると「もう二度と、その醜くて汚らわしいお顔を見せないでくださいね?」と夏美が微笑みながら言うと「あらあら…粗相をしてしまいましたのね?」と言い、寸止めをしてその場を去っていった。 男をよく見ると、震えながらオシッコを漏らしていた。 それを見た秋穂が「マジ、あり得ないわ…」と言い、男をドン引きしながら見つめていた。 春香が夏美を見つめていると「春香さん‥そんなに見つめられると、恥ずかしいですわ♡」と言い、夏美は顔を赤らめて手で顔を隠しながら左右に揺れていた。 美冬が「えぇえー…夏美…」と言い、ビックリしていると「助けてくれて、ありがとう。お礼に、ごちそうさせて?」と夕実が言うと「そんな…滅相もない!それより大丈夫ですか?全く!か弱い女性に手を上げるだなんて…言語道断です!!許せませんわ!」と言い、夏美が怒っていた。 それを見て、皆は「えぇー?手を上げたの、そっちじゃん…」と内心思いながら夏美を見つめていた。 それでも夕実が「いいから♪いいから♪」と言うと、明康が働いているラーメン屋へと皆で向かった。
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