味覚

1/1
前へ
/129ページ
次へ

味覚

「美味しいよ」 炊き込みご飯を口にした彼が笑顔で言った。 「栄養にはならないけど」 そう言って箸を置く。 「味は感じない」 魚の煮付けを食べた無表情の彼が申し訳なさそうに言った。 「でも栄養は取れる」 ありがとうと顔を歪めて笑っていた。 「獣の死体の臭いがする。腐りかけの植物の味だ」 肉と野菜の天ぷらを食べた彼が顔を歪める。 「必要としてないんだよ」 今にも吐き出しそうな顔で彼が言った。 人間は誰だ 二番目と三番目の話を詳しく書きたい
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加