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「ねぇ、なんで突然走るの、イミワカンナイ」
肩で息をしながらナナミがオレに叫ぶ。
「...」
本当のことが言えるはずもない。
畏怖の念が、オレのココロを侵食していく。
(オレは彼女に負の感情を抱いている...)
そう思ってしまうと、自己嫌悪も入りまじる悪循環へと陥ってしまった。
「ハルキ、もしかしてワタシのこと嫌いになった...?」
165cmと女にしては大柄な彼女だが、185cmのオレのことはもちろん見上げるようにしている。
彼女の目尻に溜まった涙。そして上目遣い。
美しさに心打たれる。
そしてそんな彼女にたいして罪悪感を覚えてしまう。
オレは思考の中で、自分の分身が頭を抱えるのを眺め続けた。
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