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蝋燭は少しずつ溶け、床に滴り落ちて、足元に蝋の塊を作ってゆく。少しずつ火が花弁に近づいてゆき、熱が伝わってくる。時々、チリッチリッと小さな音が立ち、毛が焼ける臭いが漂ってくる。
私は恐怖で震え、ガチガチと歯が鳴る。もしも陰毛に火がついてしまえば、下腹部や花弁に大火傷を負うことは避けられない。
私は何度も首を横に振り、必死にやめて欲しいと訴えるが、男も女もニヤニヤと笑うばかりで、相手にもしてくれない。
だけど、そんな私の恐怖をよそに、どういうわけか、蝋燭の炎は自然と消えてしまった。ホッと安堵していると、女が私に寄ってきて、
「あら、泣いちゃって。そんなに怖かったの?」
と言いながら、蝋燭を蜜壺から抜いた。そして、蜜壺の中に指を入れて中の具合を確かめる。
「あら、このワンちゃん、あんなに怖がりながら、さっきより一段と濡れてるわ。もしかして、怖がってるフリをしながら、本当は感じてたんじゃないの?」
女が私の顎をクイッと手で上げながら言う。私は首をゆっくりと横に振って、それを否定した。
「まあ、どちらにしても、たいしたお仕置きにはならなかったみたいね。あなたにはもっと凄いお仕置きが必要みたい」
女はそう言うと、ポケットからソーイングセットを取り出した。
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