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ザムラ出現問題も、意外とあっさり解決した。
人けの少ない島の裏側にオイ車を走らせてから、麻美は祭壇を組んで、
白い紙を束ねたオオヌサを振り、
祝詞の禰島祓詞が書いてある巻物を開いた。
「掛け巻くも恐き、荒ぶる平家武者が神よ…
永遠の眠りし、その汲めども尽きぬ祟り怒りを、我等に顕現させ給え…」
すると突然、地響きがして地割れから、炎と共に大きな刀がヌッと出て来た。
それは巨大な姿見鏡の様であり、自分たちの姿が写ると我が目を疑った。
「ほ、本当にザムラが出た!?」
「はっ!早く乗って!」
やや離れた場所に駐車したオイ車に、麻美は走って飛び乗り、車内に入ってハッチを閉じた。
「遂にザムラと戦う時が来たわね!」
「先ずは機銃で牽制!」
オイ車銃塔に登載された、大口径の機銃が掃射されて、ザムラの甲冑に弾かれ火花が散る。
「全然効いてない!」
「大砲を撃つよ!!!」
オイ車に搭載された、四門の砲塔のうち、前方の三門をザムラに向けて、一発ずつ発射する!
雷の様な轟音を上げて、ザムラの巨体に被弾する!
「グオオオオ……」
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