出撃

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「あっ!ちょっと効いてない!?」 「えっ?そう?」 「ほら!鎧の一部が、なんか欠けているんじゃない?」 ザムラをよく見ると、兜の鍬形や肩の大袖装甲の一部が、削れている様にも見えた。 「一応効くんだ!怪獣には効かない印象有ったけど…ザムラは戦車で倒せるんじゃ!?」 「いける!いけるよ!!」 少し希望が見えて来たが、ザムラは怒り狂っていた。 「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」 ザムラは右腕に生える大刀を振り上げつつ、背を丸めると背中から、空が暗くならんばかりの無数の矢を放ったのだ! 「うわっ!?」 「落ち着いて!戦車装甲なら、余裕で矢なんて防げるから!」 矢は生身ではひとたまりも無いが、確かに戦車内なら安全だった。 カンカンと矢が雨の様に装甲に当たり、小気味良い音が車内にも響き、戦闘中だが、心地良いリズムだった。 「なんか…これ音楽みたい!」 「呑気な事言ってる場合じゃない!」 戦車内で怒る櫂に三人は我に返って、戦闘中だと思い出し、眼前のザムラに目を向け、矢が止まったのを確認した。 「あっ!剣振り上げて、突っ込んで来たよ!」 「よし!じゃあ主砲を、ザムラ目掛けて撃とう! 装填と…」 オイ車の四門有る、口径違う砲身に砲弾を装填し、 迫るザムラに向けて、一斉に発射した! 「ググググググググググ…グオオ!」 なんとザムラは、手から生える大刀で、砲弾を切り裂いたではないか! 「えぇ!?そんな事出来るの!?」 「でかいだけじゃないんだ…」
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