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祥子が気が付くと、静寂に包まれていた…
車内を見てみると、基盤は火花散り、他の皆はまだ気絶している…
車体には大きな亀裂が出来て、外の夜空が見えた。
「綺麗…」
離島ゆえに都会より綺麗は普段通りだが、隙間からの星空は、まるで万華鏡の様だった。
夜風も流れ込んで来て、心地好い…
「はっ!そういやザムラは!?」
祥子は潜望鏡で外を見ようとしたが、割れて見れなかった。
なのでハッチを開けて出ると、そこにはザムラがオイ車の車体に斬り込みつつ、砲弾が直撃したのか負傷し、鎧や皮膚がめくれ血肉が溢れ痛々しい…
息も絶え絶えだ…
「こいつも生きてるんだ…」
強く恐ろしかったザムラが、今では弱々しく見える…
かつて我が家で飼っていた犬が、老衰で弱っていく姿と重なって来た…
いや祖父が亡くなる、その時の様にも思えて来た…
「ごめんなさい…貴方も生きるのに、必死なだけだね…」
私はオイ車の装甲の破片を握り、振り上げて、ザムラの兜の様な頭の傷に突き刺した。
「ギャアアァアアァアァアアアアァアァアアアアアアアアァアァアアァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ザムラは断末魔を上げ、血を吹き出し雨の様に降らせ、巨体を横たえた。
「これで…終わったの?」
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