島の乙女たち

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禰島には小さな学校が有る。 あまりに小さいので、小学生も中学生も一つの教室で授業を受け、教師は幅広い指導を強いられる。 そこで一番年長の中三で眼鏡の、古見祥子(こみ・しょうこ)は、年の差も有ってか、あまり他生徒と会話出来ない。 「キャハハハ!」 幼い下級生達が騒ぎ回る中、祥子は黙々と高校受験に控えた勉強をしたり、休み時間も一人で戦車や歴史の本を読んでいる。 「ねえねえ古見お姉ちゃん!一緒にあそぼ!」 「え?それその…」 「こら〜古見お姉ちゃん困ってるでしょ!」 密かに祥子に惚れている、男の子では一番上な小五の大伴勝彦(おおとも・かつひこ)は、古見の次に大きな中二の吉井蘭子(よしい・らんこ)に止められた。 「ちぇ〜またかよケチ」 祥子は蘭子と殆ど喋った事は無いが、こうして毎回察してくれるので、密かに好感を抱いていた。
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