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そして下校時いつも通る小道は、坂に家々が並び狭く入り組む。
漁村ゆえ干した魚の干物の匂いがし、飼育とも野良とも付かぬ猫達がそれを狙う。
祥子が階段を降りると、干物に油の匂いも混じった潮風が吹いた。
そこは主に漁船の修理を行う、ごちゃごちゃした修理工場に通り掛かる。
「あっ祥ちゃん」
ここは祥子の二つ年上のいとこ少女の、揚子見櫂が、眼鏡では褐色の肌にツナギを着て、修理を請け負っており、今日は洗濯機を修理している。
「また漁船じゃない物を、直しているの?」
「そう、漁師段々減って来ているからね」
少子高齢化による過疎化が進み、この禰島も人口減少している。
学校を卒業した若者も島を離れ、滅びゆく宿命だ。
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