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「それじゃあ祥ちゃん手伝ってくれる?」
「え?その…ごめん」
祥子は機械を使った戦術は好きだが、機械の構造までは専門外である。
「そっか、叔母さんに宜しくね」
親戚であっても、上手く会話出来ないもどかしさ。
決して仲が悪い訳では無く、良い人で有るとは分かっている。
クラスメイトともそうだ、気さくで気遣ってくれる吉井蘭子と、話してみたいと思っている。
だがそこに踏み出せない、どう言えば良いのか分からない。
幼い頃に母親が死に、父親は遠洋漁業で家を長期間開ける事が多く、本が唯一の友だったのも有るだろう。
おまけに本の好みも、蘭子や櫂とまるで合わない。
「どうしたら…話せるんだろ…?」
きっかけが欲しいと、願い続けている。
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