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ジャンケンのルール
放課後の屋上で、AとBが向かい合っていた。
「なぁ、ジャンケンしようぜ」
「いいぜ」
「いくぞ、「じゃーんけーん」」
最初に動いたのはAだった。
掛け声と同時に姿勢を低くし、Bの腹元めがけて強烈な右ストレートを放つ。
「っあまいぜ!」
ズバッシッ。
Bは至極冷静にAの拳を受け止めるとそのまま腕を引っ張った。
「おわっ!?」
攻撃の際に大袈裟に踏み込んだのが災いして、Aの体は地面に水平になる形で引き寄せられる。
「空中じゃ受け身も取れねぇだろう!おらッ!」
グキッ!
無防備なAの背中に無慈悲なカカト落としが炸裂。
「ぐっはぁ!?」
二、三回ほど地面をバウンドし、仰向きに倒れるA。
一撃ノックアウト。完敗だった。
「今日のジャンケンは俺の勝ちだな。A」
「っち……次は……負けねぇぞ……グハッ」
Aは喀血して気絶した。
「にしても分かりやすくていいよなぁ、ジャンケンって。グー、チョキ、パー、その他諸々の技を駆使して『最終的に立っていた方が勝ち』なんて!」
--END--
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