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久し振りに介護用のエプロンに着替え、きわ美は浴室へ来た。
「お待たせ」
「あ、ケアマネ。ありがとうございます!」
もう一人着脱介助に入っている介護師坂本は、まだ若いがとても要領が良い。テキパキと次の事を考え行動している。
「次その方脱がせて下さい。私はこちらの方着せますから。あ、その方左肩脱臼しやすいので気をつけて下さい」
次々に指示を出してくれるのでとても助かる。とても気の回る人だ。坂本は普段の仕事でも自分でチェックリストを作ってキッチリと仕事をしている。提出物も余裕を持って提出する。
自分にはとても真似できないときわ美は思った。いや、そこは真似すべきである。
「すみません、ケアマネ。ストレッチャーに移動したいので足の方お願いします」
「はい!」
利用者さんをリクライニングの車椅子から入浴用のストレッチャーに移動させる。頭の方と足の方を二人の介護師が抱えて移動させる。頭の方が重いのに坂本はすすんで自分で持つと言う。腰痛持ちのきわ美にはありがたい。
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