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高城寺さんって100㌫意地悪です!
一ヶ月って早い。
考えてみたら七草さんの100年の1/1200でしかないんだもん・・・
金曜日の放課後。
教室を出ようってしたら、高城寺さんの冷たい笑顔。
「君サ。明日もデートってわけ。100歳の七草さんと・・・」
「うん。あさっての日曜日も・・・」
「ふーん!お金目当てってわけ?
君がそこまで考えるなんて意外だね」
ひどい一言。僕、黙って教室、出ようってした。
「あの老人ホーム。全財産つぎこんで入る人ばっかりだって。
君の願いはムリみたい。
わたし、君に愉快なこと言う七草さんのこと、紹介しただけ。デートしたらって勧めてなんかいない」
背中で笑い声。
僕、立ち止まった。やっぱり言いたかった。
「七草さんが元気で長生きしてくれれば、それでいいって思う。
それから・・・」
僕、できるだけハッキリ言った。でもやっぱり小さいかったのかなあ・・・
「ぼくの力で七草さんを幸せにできるなら・・・」
返事なかった。教室出たとき、
「君って面白いこというんだね。サイコー」
高城寺さんの声が聞こえて、靴音が遠くなった。
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