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だれにも注目されない日下部君。
友だちは、片手の指でも余る日下部君。
カノ女なんてもちろんいない日下部君!
やさしい子だって思う。でもね。いまの世の中。やさしいだけじゃ生きてられないわけ。
だれにだって親切な君のこと、多少評価してる女子もいるらしいけど、君の回りに女子が集まることは、いままでもなかったし、これからも・・・」
高城寺さんったら、両手を上げ、スキップしながらクルッと一回り。
「ないよね」
突然、僕の読んでた雑誌取り上げて、ダンスしながら僕のこと、集中攻撃。
ちょっとひどいって思う・・・
「待ってよ。朝からなんでそんなこと言うの」
遠慮がちに言ったのに・・・
「ホントのこと言ってなにが悪いんだよ!」
「みんなが知ってる事実認めないのか!」
高城寺さんの取り巻きの声。
だからなんで君ら関係あるの?
「学校で一番地味で、書いた詩が入選してもだれにも注目されず、一日、一言もしゃべらないで過ごす日下部優馬(くさかべゆうま)君。
君なんかに話しかけて、変な噂流されるのイヤなわけ。
そこで最初にね。君なんか、ぜーんぜん興味持ってないってことハッキリさせたってわけ!
だけどどうしても用事があって・・・
ほんと、しかたなく・・・
涙こらえて話しかけてるの!」
ここまで言われたらショックも起きない。高城寺さんの言うとおりだし・・・
「わたしが君の恋のキューピットしてあげようっていうの」
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