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100回悪口言われそう・・・
ちゃんと一時に来たのに・・・
高城寺さんはもちろん、僕のために不幸になるって女性の姿だってない。
ブランコと滑り台、砂場だけの小さな公園。
地元の人なら、たいてい駅前公園に行くので、土曜だけど人影はない。
四方にベンチがあるけど、トイレのすぐ横のベンチを指定された。
詩集を読んで詩を書いてたけど・・・
詩を書くのに・・・
あんまりいい環境とはいえないみたい。
一時十五分。僕ひとり。
一時三十分。僕ひとり。
二時。
公園の北側の出入口に見覚えある姿。
今日は私服。襟と長袖の部分だけ白の赤のワンピース。短い裾から白い脚。白のクルーソックス。だれでも見とれる!振り返る美しさ!
車椅子を押している。
車椅子には、ベージュのワンピース、紫のクルーソックスの小柄な女性。黒髪に細くて優しそうな目と口元。口紅の色が鮮やか。
化粧している。
だけど・・・
ずいぶん年齢の高い女性(ひと)だって思う。
僕、大きく頭を下げた。
女性がニッコリ笑って挨拶を返してくれた。
「七草多賀子さん」
高城寺さんが紹介する。
「すみません。ちょっと彼と話をしますので」
高城寺さんったら、僕にはなんにも言わず歩き出す。
僕、七草さんに会釈して、あわてて高城寺さんの後を追う。
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