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100㌫初めてなんです!
僕、もう一度、七草さんに、大きく頭下げた。
これって、やっぱりデートって言うんでしょうか。
どうして僕を選んだのかしら?
「よろしくお願いします」
七草さん。頬がうっすら紅色。
「ごめんなさい。わたしみたいなおばあさんでよかったかしら。
聞きましたよね。わたし、100歳になったばかり。
なんだか失礼なことしてますわね。
でもね。わたし・・・」
七草さん、恥ずかしそうにはにかんだ。
とっても可愛らしい表情。
僕、今日、初めて七草さんに会うんだ。
だけど・・・
七草さんが、どんな心の持ち主で、どんなふうに生きてきたか・・・
そのとき、ぜんぶ分かった気がする・・・
「老人ホームの職員さんにも手伝ってもらってね。二時間かけて、お化粧したんですよ」
それからちょっと悲しそうに下を向いた。
「それでもやっぱり、こんなに年をとったおばあさんだってこと。隠せませんわね。
わたしなんかとつきあえなんて、なんておばかさんなこと言ってるって思ったでしょう」
僕、上を向いた。
空って青いんだけど、普通の水色なんかじゃない。
今日の空って・・・
ふんわり明るくって・・・
僕らの回り・・・
柔らかく広がってた・・・
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