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僕だってやっぱり恥ずかしい・・・
七草さんに見られちゃったらどうしよう・・・
温かいしずく、少しだけ目の外にあふれてたこと・・・
「本当にごめんなさいね」
僕、首を振った。
七草さんのやさしくて恥ずかしそうな顔・・・
まっすぐ見つめた・・・
僕のために二時間かけて化粧をしてくれた七草さん・・・
僕って、この女性のために、なにがしてあげられるんだろう・・・
「七草さんが僕のこと選んでくれて、本当に嬉しいです」
「あの・・・それじゃあ、おつきあいしてくださるの?
おつきあいなんて誤解してしまいますよね・・・
普通にお友だちとしてお話して下さればいいんですよ」
「それ、僕の言葉です。
時々、公園で色々話をする友だちでいいんです。
僕とおつきあいしてくれますか?」
七草さんが手を伸ばしてきた。
僕、そっと握った。
小さくて気持ちよかった。
「手もお化粧したんだけど、やっぱりしみとかシワだらけでしょう」
僕、首を振った。
そんなもの見えない。
心の目は・・・
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