100㌫地味でした・・・

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100㌫地味でした・・・

 二時間目の休憩時間。一年一組の教室。  一番後ろの席にたったひとり。  数少ない友人の浜島君、石原君は教室から消えた。  たったひとり、自分の作品が掲載された「季刊 わたしたちの詩集」を読んでたら・・・  急に取り上げられた。  クラスカーストのトップ。クラス委員の高城寺彩月(こうじょうじさつき)さん。  ショートカットにパッチリした目。一メートル九十センチ近い身長。上から目線で見下ろされた。短めのスカートからは、スラッとした白い脚。黒のハイソックスが美しい脚を引き立てている。  後ろには、高城寺さんのファンの男子が五人。僕のこと、にらみつけてる。  僕、君らになにかしたの?  「君の詩が載ってるの?」    興味なさそうな口調。  「うん」  「賞金あるの?」  「図書カード三千円分」  「季刊か。毎回載っても一年一万二千円」  それを言いにわざわざ僕の席に・・・  「これじゃあ、一生の仕事にはならないね」  高城寺さんったら、すごく正論なこと、意地悪く笑って言った。  「なにやってんだよ。日下部(くさかべ)!」  「三千円!情けないヤツだな」  高城寺さんの取り巻きの声。  君ら、なんの関係あるの?  どうして浜島君たち姿を消したか分かった。ビミョーな雰囲気察し、関わりあいにならないよう逃げ出したんだ。  「クラスで!  訂正  学年で一番地味な日下部君。  詩を書いてることだって知られてない日下部君。
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