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 門の向こうに見える家は、恐ろしく立派な豪邸だった。  だからぼくが思わず疑ってしまったのも無理はないと思う。 「周防、本当にここなのか?」 「ここだよ、おっくん。ここが鏡ちゃんの家。招待状にそう書いてあるもん、間違いないよ」  周防(すおう)美々(みみ)は自信たっぷりにそう答えてから、門の横にある呼び出しボタンを押した。ぼくだったら物怖じして二度三度と地図を確かめてしまうところだが、彼女はそんなことしやしない。あっさりと前に突き進み、そして間違うときにはすっきり間違える。 「どうぞ、中にお入りください」  前置きもなくどこからか声が聞こえ、自動で門が開いた。周防のあとに続いて敷地に入り、玄関に向かう。こんなところに同級生が住んでいるなんてにわかには信じられないが、信じるしかないのだろう。居心地の悪さにキョロキョロしながら進むと、玄関の前に女の子が立っているのが見えた。  見たことのある女の子の見たことのない姿。 「お待ちしておりました、周防様。と、そのオマケさん」  丁寧に頭を下げる春道(はるみち)新芽(しんめ)は、メイド姿だった。
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