第2章 超能力トーク(目話)現実と超能力の狭間

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第2章 超能力トーク(目話)現実と超能力の狭間

眩しいばかりの日差し。 洋平は朝日で目が覚めた。 昨晩はなんと不思議な夢を見たのだろう。 瞼(まぶた)で会話する世界など、初めての経験だった。 人は一生どのくらい瞬(まばた)きするのだろう・・・・・・? 洋平はふとそんな事を考えた。 85歳まで生きたとして、1分間に10回瞬きして、最低8時間は寝たとして 10回×60分×16時間×365日×85年は、297,840,000回! 天文学的数字だ・・・。 それに昨晩のような瞼(まぶた)の会話が加わったらどうなるのだろう・・・・・・。 気が遠くなる。リビングに降りると両親と妹が朝食を食べていた。 洋平は相変わらず、家族とは口をきくこともなく、もくもくと朝食を食べる。 洋平はなんか自分が話さないのが当たり前のように思え、家族もそれを病気として容認していた。 洋平は昨夜の不思議な事をふと試してみようと思った。 何気なく妹を見てみると、なにやら俺の方を見て瞼(まぶた)をぱちぱちしている。 ばれないように裏を向き同じ動作をしてみると、 「なんだかお兄ちゃんなさけない。格好いいお兄ちゃんなのにストレスで口がきけなくなるなんて。なんとか治してあげられないものかな?」 という妹の言葉が聞こえてきた。 洋平は驚いた。「えーーー!」 クールでつっけんどんな妹が、結構いいやつだったんだ。 本当は俺の事を心配してくれている。 待て待て・・・・・・。瞼(まぶた)の会話は夢の中の話。 いやいや俺の思い過ごし。俺って超能力がある? 昔TVで人は何かを失うと別の能力が身につくというのを見たことがある。 それって?俺?まさかでしょ? いやいやいや、普通でいい、普通でいい。 特別な才能などいらない。普通がいい。 洋平は自分の不思議な経験を感じながらも学校に行った。
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