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第6章 超能力トーク(目話)動物と人間との通訳
妹に目話の件がばれてからは、ある日正直に自分の思いを話した。
妹は兄の「動物と人間の架け橋」という考え方にとても感動した。
そしてこう言った。
「お兄ちゃん、とても素敵。確かに今まで話ができなくて
苦しんできたけど、言葉を失った事により新たな才能が備わった。それを生かそうと考える気持ちが私の兄としてとても誇らしく思う。私、心から応援する!」そう言って、妹はとても嬉しそうに部屋を出た。
こんなに人として嬉しい気持ちになれたのは何年ぶりだろうか?
洋平は妹の一言にとても感謝した。そして同時にこの日から洋平の新たな動物と人間の「通訳新書」作りが始まった。
好きな事なら打ち込めるというのはこういう事をいうのだろうか?洋平は時間を忘れて昼夜「通訳新書」つくりに打ち込んだ。気が付けば、家族とも友人とも普通に話ができるようになっていた。
そして通訳のみならず「心理学」も勉強しだした。当然に人間の心理学もあるが、動物にも心理学がある。犬がうれしい時はしっぽを左右に振るのは、自分の感情を体で表現している表れだ。
そんな猛勉強は時間を忘れさせてくれる。洋平は気が付くと高校を卒業してもう20歳になっていた。
成人式に出て、洋平は心に誓った。
かならず「動物・人間通訳家」という職業を作る。と。
そしてある日、国の専門機関を訪問して上記の事を頼んだ。
「は~?貴方頭おかしいですか?精神病院にいった方がいいのでは?動物と人間の会話の通訳だって?少し頭を冷やして出直してきなさい。」
・・・・・・。
洋平はがっかりとして肩を落として帰宅するのであった。
やっと自分らしい生き方ができると思ったのに、精神病患者扱い。
結局自分はだめなのだろうか?
そうがっかりしているときに妹が部屋に入ってきた。
「お兄ちゃん、だめだったんだ。大丈夫、新しいものはなんでも時間がかかるよ!根気をもって臨めば、きっといつかはわかってくれる時がくる。それまで頑張って!応援してる!」
洋平はこの時ほど、応援者がいる事のありがたさを痛感したことはなかった。
そんな時だった。TVで地元の山の熊が町中に出現した。と放送していた。洋平はチャンスと思った。そしてすぐに家を出た。
その近辺は厳重に警察に警備がされていた。遠くに熊の姿が見えて、警察が威嚇をしていた。何とかしないと、目話開始!遠くの熊の目を見た。
右瞼21回、左瞼11回、両瞼12回。ふむふむ、、。
聞こえたー!「小熊が町の方に降りていって、行方不明になり探しに降りてきた。人間に危害を加えるつもりはないので、撃たないでほしい。私がいなくなったら小熊は生きていけない。小熊を見つけたら山に返すと約束してくれたら、私もこのまま山に帰る。そして人間には危害を加えない。」洋平は親熊に対して「目話」を開始した。
「わかった。警察を説得するから、僕が君に向かって手を上げたら山に戻ってほしい!」と目話にて熊に合図した。親熊は目話で「わかった」と合図してきた。
その後この事を近くの警察に話した。「僕は動物と目で会話ができます。親熊は小熊を探しに来た。と言っている。もし撃たなければ、僕が手で合図したらこのまま山に帰る」と言っている。
そして人間には危害は加えないといっている。僕を信じて撃たないでほしい。
そして小熊を見つけたら山に返してほしい。と話すと、「君頭おかしくないか?」と1人の警官が言うともう1人が「本当にそうか確かめてみよう!」1瞬だし、嘘ついている事がすぐわかるよ。「そうだね。」
「じゃあすぐやってみなさい」そう警官から言われ、親熊に向かって手を上げて合図した。
すると不思議なことに親熊は森の中に消えていった。
このことは警察を始め、マスコミが放っておかなかった。
連日ニュースは「熊と話せる青年現る!」という報道で持ち切りだった。
そして洋平はマスコミに引っ張りだこだった。
ある日妹が、「お兄ちゃん、やっと夢がかないそうだね!と目から涙をこぼしていた。
些細なことではあるが、洋平は少し道が開けてとても嬉しかった。
それから数日して国の専門機関を再度訪問して、「動物と人間の通訳業」の認可を申請した。
役所の人は連日のニュースを見ていて、洋平のことは知っており、以下のように言った。
「君の言う事が証明された。先日は失礼な事を言って大変に申し訳なかった。
人には実に色々な才能があるものだと。君と出会って初めてわかった。それがこの国のひいては世界中の人や動物のお役に立つのであれば、是非認定しましょう!そして世の為、人の為、動物他の為に活躍してほしい。」そう言われた。
洋平は目から涙が止まらなかった。これで動物と人の架け橋になれる。そしていままで報われなかった多くの動物を救う事ができる。
この日から動物・人間通訳業 第1号 青空 洋平の人生が始まった。
こんな事が決まると、親は小さな事務所を自分の為に借りてくれた。
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