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第8章 超能力トーク(目話)人間・動物通訳業がつないだ保健所のワンちゃんの新しい道
ある日洋平のもとに、また依頼が入った。
その依頼主は保健所の職員だった。そこは捨てられた動物が毎日のように殺処分される。
なんとかそれを洋平の動物通訳業で救えないかというものだった。
洋平は声を大にして「是非やらせて下さい!」言った。
(絶対にこんなことはなくさなければならない。どんな動物も生きる権利がある。動物の才能を開拓して人間に適合すれば、必ず救える。よし頑張ろう!)
まずは洋平は保健所の動物のそれぞれの才能を見出すために、毎日のように保健所に通い、目話をした。
ネコちゃん、ワンちゃん、実に色々の個性がある。これは人間と同じだ。
ある日、あるワンちゃんと会話した。
ワンちゃんA このワンちゃんは、目話をすると、以下の自分の才能を主張した。
「僕は洗濯物をたためるよ!」
え!まじか!犬が洗濯物たためる?本当ならすごい!
じゃやってみよう!。
保健所の管理人さんにTシャツを用意してこの檻にいれるようにお願いした。
するとこのワンちゃんが口でそのTシャツをたたんだ。「えええ!嘘だろう!!!」
動物もそれぞれ才能があるんだ、、、。「よし、これをなんとか人間に主張してあげよう」
ある日、保健所に老夫婦は寂しいからとワンちゃんが欲しいと、家で飼うワンちゃんを探しにきた。その日に洋平は保健所に呼ばれていた。
(よしお前が助かる日がきたぞ、今日は人間の老夫婦が来る。そこでお前が洗濯物を口でたためるのを見せるんだ。そうすれば必ずお前を引き取ってくれるはずだ。頑張れよ!)と檻の前で目話をした。
すると彼は「頑張る!」と目話で返してきた。
午後1時、老夫婦が来た。洋平は早速檻の中にTシャツを入れた。
すると檻の中のワンちゃんを口でTシャツをたたみだした。
老夫婦は言葉が出ないくらい驚いた。
「このワンちゃん、洗濯物をたたむことできるの?信じられない。私も主人も手が不自由で、洗濯物をたたむのがとてもつらかったのです。是非このワンちゃんを引き取ります。ありがとう!」
ワンちゃんから洋平に目話。右6回、左11回、両目16回。
「ありがとう、これで僕は人のお役にたてる。本当に本当にありがとう!」
洋平は自分の仕事が、世の中の役に立つことを痛感して、ただただ嬉しかった。
家に帰ると妹が待っていた。
お兄ちゃん、新聞でお兄ちゃんの事で持ちきりだよ。ほら、「殺処分の救世主現る、動物と会話する青年。」
ほら、私お兄ちゃんの妹で本当に良かった。誇りに思うよ。
洋平は部屋に入ると嬉しくて涙が止まらなかった。こんな自分でも世の中のお役にたてるということがとても嬉しかった。
さらなる夢を見て、寝入る洋平だった。
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