第1章 超能力トーク(目話)不思議な世界  

1/1
前へ
/9ページ
次へ

第1章 超能力トーク(目話)不思議な世界  

「あーどうしよう、何もかも上手くいかない。」 洋平は、自分の不甲斐なさと次から次と起こる不幸な出来事に嫌気がさしてい た。 そのストレスの影響か、もう1年近くも口がきけなくなっていた。 家族とも話すらできない・・・・・・。 自分は本当にどうなってしまうのだろう? 不安と恐怖が洋平の胸を突き刺していた。 そんなある晩、不思議な夢を見た。 そこは沢山の人がいるが、誰も話しをしていない。 ただ皆、瞼(まぶた)をぱたぱたと動かしていた。いったいこれ は・・・・・・? 洋平は唖然とした。 周りの人を見ると、笑っている人もいれば、怒っている人もいる。 この人達は話もしないでどうやってその感情が湧くのだろうか? すこしよく観察していると、皆瞼(まぶた)を自由自在に動かしている。 何をやっているのだろうか?洋平は不思議に思った。 ただただ瞼(まぶた)を動かす度に笑ったり、泣いたり、怒ったりている。 えー、この人達瞼(まぶた)で会話しているのーーー? 洋平は気が付いた。この人達は瞼(まぶた)で会話をしている。 嘘ーーー! こんな世界があるとは・・・・・・。洋平は驚いた。それから洋平は自分も参加したくなった。 まず周囲にいる人の瞼(まぶた)の動きをよく観察してみよう。 右瞼2回、左瞼3回、左右同時1回。 いきなり笑い声が聞こえて来た。 えー、瞼(まぶた)の動作が同じになったときにはじめて声が聞こえた。 この人達は瞼(まぶた)で会話している。信じられない。そんな世界があるのだ。 その晩ずっと洋平は周囲の人の瞼(まぶた)の解析に没頭した。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加