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ミルクキャンディーの香り
「まーしろっ!何食べてるのぉ?」
四女、玲奈(れな)は真白の口元を見つめながら問いかけた。
「ん?あめたべてるの!れなちゃんもたべる?」
そう言い真白はキャンディーの袋からひとつ取り出し玲奈に渡す。
「ありがとっ!何味?」
「みるくだよ!」
「だからかー、めっちゃましろミルクの匂いがするもん」
「・・・そうかなぁ?でもおいしいよ!」
嬉しそうに真白は舌の上で飴を転がす。
それを見ていた玲奈も貰った飴を開封し口に入れる。
「んぅ、あまくてうんまっ!」
真白と同じミルクの香りと味が口いっぱいに広がる。
「その飴どこで買ったん?」
「んーと・・・あかねおねーちゃんがくれたの!おいしいでしょ?もっとあげる!」
そう言い袋から数個取り出し玲奈に渡す。
「ありがと!じゃあ、玲奈もお返ししなきゃね!なんかあったかなぁー・・・」
そう言って近くに置いてあった自身のバックに手を入れガサガサと探る。
「お・・・あったあった!」
玲奈はバックから目当てのものを取り出すと真白に渡す。
「これあげる!玲奈のお気に入りの棒付きキャンディー!これめちゃうまだよ。最近こればっか食べてんだよね!」
カラフルな包装紙の棒付きキャンディーを嬉しそうに見つめる真白。
「ありがとう、れなちゃんっ!」
「どういたしまして!っか、そのキャンディーもし気に入ったらまた買ってきてあげるよ。どーせ、学校の近くの店のやつだから」
「ほんと?じゃあ、いまたべてもいーい?」
先程食べていたミルク味の飴を食べ終えたのか玲奈が「どうぞ!」と言うと真白は、包装紙をあけ琥珀色の棒付きキャンディーを眺めるとぱくっと口に咥えた。
「んぅっ!」
真白の口の中からパチパチと弾ける音が聞こえる。
驚いた真白はキャンディーを口から出す。
玲奈は真白の行動にお腹を抱えて笑う。
「・・・れなちゃん・・・パチパチした・・・」
薄く開いた唇からべーっと舌を出す真白に、可愛すぎっ!と抱きついた玲奈であった。
※補足※
「ましろ、それいらないならちょーだい?」
パチパチと弾ける棒付きキャンディーを手にしたまま食べない真白に玲奈は声をかける。
真白は、「どーぞ?」と言い開いた玲奈の口に入れる。
玲奈の口の中で弾けるキャンディー。
玲奈は、いつもよりおいしいかも!っと嬉しそうに笑ったのだった。
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