おねーちゃんとお揃い

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おねーちゃんとお揃い

「ましろちゃん、おいでっ!」 片手に櫛を持った三女、麻衣はリビングのソファーに座ったまま真白を呼ぶ。 「なになにーっ!」 キッチンで茜に抱きついていた真白は麻衣の声に駆け足で近づく。 赤いリボンでツインテールにまとめた髪の麻衣の姿に気づくと「かわいーっ!!」と今度は麻衣に抱きつく。 「まいちゃん、お姫様みたい!!」 嬉しそうに燥ぐ真白に、 「ましろちゃんもお姫様にしてあげる」と真白を自身の膝に座らせ髪を櫛で梳かす。 「ましろもお姫様になれるかなぁ?」と呟く真白に、 「なれるよ!麻衣は魔女さんだから魔法で簡単に変えてあげる!」 と冗談交じりに答える麻衣。 「それにしても、ましろちゃんの髪、さらっさらだね!」 触り心地の良い艶やかな黒髪に羨ましいと呟く麻衣。 「まいちゃんもさらさらできれいだよ」 真白は振り返り麻衣の髪に触れる。 「あ・・・こら、こっちむかないの!じっとして」 そう言い麻衣は真白の髪をツインテールにまとめていく。 「ましろちゃん、リボンは何色がいい?」 テーブルには赤、黄、緑、青、白の5色とフリルのついたリボンが並ぶ。 真白はじっとリボンを見つめ考える素振りをすると、 「まいちゃんといっしょがいい!」 と嬉しそうに笑ったのだった。 「じゃあ、赤のリボンだね!ちょっとこっちむいて」 左右にリボンを結び高さを確認する麻衣。 「ほら、できたよ!ましろちゃん」 鏡を手に真白に見えるよう翳す。 「ほんとだぁ!ありがとまいちゃんっ!!みんなにみせてくるー」 立ち上がりあっという間にリビングを飛び出し2階へ上がっていく真白を横目に麻衣は雑誌を片手に嬉しそうに笑ったのだった。 ※補足※ 「まつりおねーちゃん、みて?ましろかわいー?」 茉莉の部屋へ入りスカートを翻しながら回る真白。 「かわいいー!どうしたの、しろちゃん?」 すぐさま、ご自慢の一眼レフを片手に撮影する茉莉。 機嫌が良い真白はシャッター音に合わせてポーズを決める。 「まいちゃんといっしょなの!お姫様みたいでしょ?」 嬉しそうに微笑む真白にカメラのシャッター音は止まらない。 「今日一番の笑顔いただきましたーって・・・麻衣?麻衣といっしょなの?じゃあいっしょに写真撮ってあげるからリビングいこっか?」 そう言い真白と手を繋ぎリビングにやってきた茉莉の顔を見て、麻衣は頭を抱えたのだった。
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