赤壁の焔

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赤壁の焔

三日後、ついに開戦の時が来た。 それぞれが、それぞれ果たすべき任務の為に動き出した。 まだ風は吹いてはいないが、私達は戦いを挑んだ。 悟られないように、無謀ともいえる戦いを開始した。 私はまず、敵の注意をこちらに向けるため敵軍に戦いを仕掛ける。 これは私の他にも、呂蒙さん等が共に戦ってくれるのでやりやすい。 桃香「はっ!!やぁッ!!!!」 私は槍を振るい、敵兵を薙ぎ払っていく。 よく考えたら、私はこれが初陣なんだよなぁ…? 人の姿で殺し合いなんて、夢にも思わなかった。 けど、奴らは敵で…私達に牙向く者って考えると躊躇なくやれる。 呂蒙「やはり桃香殿の武、素晴らしいものだな?頼りになる」 桃香「呂蒙殿も、一段と冴えてますね!」 呂蒙「俺にも意地があるからな!貴女には負けられん」 私より多く、敵を倒そうとする呂蒙さん。 そこは武人というよりも、男のプライドっぽいのが先立っているようだ。 ま、やっぱり女には負けたくないよね。 けど、私だって負けてらんない。雲兄に教わったこの力を、この戦場で示してやるんだから! さて、こっちに攻め入った奴らはあらかた片付けたかな? 次は船で敵の船に乗り込まないと。 と、油断した瞬間… 「ぎゃあァァァァ……ッッ!!!!」 桃香「えっ……?」 私の背後に、呂蒙さんと敵兵が居て…敵が斬られて倒れた。 普段なら気づける殺気も、あまりに多いと紛れて分からない。完全に油断してた…… 呂蒙「桃香殿、背中が疎かになっているぞ。いかに自信を持っているからとて、油断は禁物だぞ!」 桃香「は、はいぃ……」 なんか呂蒙さん…怖い… 桃香「助けてくれて、ありがとうございます」 慌てながらもお礼を言うと、呂蒙さんは厳しい顔から優しい顔に変わる。 呂蒙「同志を助けるのは当然だ。さて、この辺りは殲滅したな?あとは船に乗り敵陣へ突入だ」 桃香「はい!」 呂蒙さんの率いる軍と共に、船に乗り込んだ。 すでに他の軍は激しい攻防を行っている。 義父さんや雲兄が無事だといいけど…… 桃香(……とにかく、私は私のすべきことをする!心配だけど、役目は果たさなきゃ!) 敵の人数が多すぎて、正直不安だ。 けれど、それも火が着くまでの我慢! 敵軍は私達の攻撃に集中してるし、ひとまず注意は逸らせただろう。 あとは、士元さんの救出だ。
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