鬼女降臨

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「…………!」 「………………!」 ハッキリしない意識の中で、誰かの話し声が聞こえた。 「兄者、どうしたってんだよ?」 「……人が、倒れていると……思って来たのだが……」 「人?……って、なんだコイツ!?」 「一見すると人……に見えるが、明らかに人外でござるな……」 「気を失ってるみてーだが……首跳ねとくか?」 ……ん?これは……まさか私のこと? 「うっ……、ん……」 まだ思うように体は動かないけど、何としても目覚めなきゃ…… なんか殺されそう…… 「うぉっ?!起きやがった!」 「兄者、拙者達の後ろへ」 一体なんだろう? ボヤけた頭のまま自分を見直すと…… 「…………あ」 ……私、鬼の姿のまんまじゃん…… これで納得…… そりゃそうなるよね…… 「……えーと、どうしたらいいのか……」 私も混乱、相手も混乱。 収集つかないな。 「化物め!成敗してくれる!」 「はいっ!?ちょ……っ!?」 どえらい武器振りかぶってきたから、思わず掴む。 「ッッ!!」 「……正しい行動だろうから、敢えて怒んないけどさ……初っ端からこんなのは勘弁したいんだよね」 鬼の眼力で睨めば、男三人は後ろに下がる。 そりゃ化物を前にして武器は構えるでしょうけど……ちょっとくらい状況整理する時間くらいはほしいよ……
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