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ここは宇宙――にある月の某所。
宇宙人たちのカップルにとって、美しい地球を見ながら会話できるデートスポットとして有名だった。
ある日のこと……
遥かに遠い第3惑星から遊びに来た、モザ君とリナというカップルは地球を眺めながら談笑していた。
しかし、どうもリナにはイマイチ楽しくなかった。
モザ君は、ジョークを言ったり色々と苦心して頑張っていた。
が……
とうとう喧嘩となり、どなり合う結果となった。
ついに興奮して、両者が乱射したビームガンの光線が、混ざった状態で太陽まで到達した。
太陽の超高熱で変質し増幅したビームは、同時に発生した太陽フレアにより、地球に向けて発射された。
地球に到達した変質ビームは、たまたま夜中だった日本近海――某湾の沖にある佐竹島に届いてしまったのだ。
この佐竹島は、佐竹玄一郎という人間国宝が所有する島だった。
その小さな島の桟橋から伸びた先には、玄一郎が所有する大きな別荘だけが存在していた。
きょう77歳になる彼は、佐竹グループという全国展開中の、大手物流企業の会長でもあった。
モダンな2階建の別荘にいた彼と彼の家族は、全員2階の自室のベッドで熟睡中だった。
宇宙から飛び込んできた変質ビームは、この別荘を直撃したのだった。
午前3時……ドキューン!
奇妙な音が聞こえた気がして、佐竹一族は全員、ふと目を開けた。
が、まだ3時か……ということで、再び就寝した。
その時、それぞれの脳に浸入した変質ビームは、ある感情を増幅させ、そのパワーで脳を破壊してしまう仕組みを作ってしまったのだ。
一見、平穏で温和に思えるこの一族の体内で、想像を絶する恐怖がスタートした。
その時、島の周りの海上は、いつになく穏やかだったのに……。
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