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「最近見かけないから別れたのかと思ってた」
「………へ?」
付き合ってたのもご存じなんですね。南さんまで知ってるってことは、バイト先の皆様全員に知られてるってことだよな。恥ずかしいよ。
「別れたんなら、オレにもチャンスあるかなって思ってたんだけどな……」
南さんがボソボソ呟いていたが、恥ずかしくてテンパっている俺にはよく聞こえなかった。
「すみません。よく聞こえなかったんですが…」
俺が問い直すと、「なんでもないよ」とふわりと笑ってはぐらかされてしまった。
笑うとこの人カッコいいなと見惚れてしまう。まあ、蒼太のほうがカッコいいんだけど…って、俺重症だ。
「あ、遙人君連絡先聞いといていい?」
「連絡先ですか?」
蒼太に、連絡先は他の男に教えないよう言われているからどうしよう…。南さんなら大人だし同じ職場の人だし大丈夫かな。
「オレ、親睦会の幹事だから連絡することあるからさ。教えてもらえる?」
そういう事情なら仕方ないよね。
「はい。アドレス教えますね」
こうして俺は南さんとアドレス交換をしたのだが、これが後にトラブルの元になるとはこの時は思いもしなかったのだった…。
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