ただ君だけを

夏休み

「あ………あの、俺、昨日どうしたんでしょうか。その…………服は？」
まさか…まさか俺、南さんとそういうことしたワケじゃないよね？
「覚えてないの？あんなにすごかったのに」
くすくすと南さんが笑う。
それってやっぱり………………全然覚えてないけど俺と南さん、しちゃったの？

「遙人君、酔っぱらって吐いてすごかったんだよ」
へ…………………？
吐いてすごかった………………？
「服も汚れちゃったから脱がせて、今洗濯してるんだ。乾くまでこれ、オレので悪いけど着てて？」
ふとベランダを見ると、昨日着ていた俺の洋服が干してあった。
南さんとやっちゃったわけじゃなくて良かった…………いや！吐いて洗濯までしてもらって泊めてもらってって、ものすごい迷惑かけてんじゃん！
「本当に………色々ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした」
いたたまれなくなってベッドから降りて土下座をすると
「は、遙人君！服、服とりあえず着て！」
俺、裸で土下座しちゃってたよ。
もう恥ずかしすぎてこの場から消えちゃいたい。