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電話しなきゃ!と思っていたらまた着信音が鳴った。
『もしもし!遙人?どうした?大丈夫?』
電話に出ると、かなり焦った感じの蒼太の声が聞こえてきた。
「連絡できなくてごめん蒼太。昨日、バイト先の人達と食事に行ってワイン飲んだら酔っちゃって。さっきまで寝てたんだ」
『遙人アルコール弱いのに…大丈夫?今家にいるの?何か差し入れ持っていこうか?』
蒼太の心配する声に申し訳なさが募る。本当に何やってんだ俺は。
「今、バイト先の人の家にいるんだ。昨日意識がなくなっちゃったんで泊めてもらったんだ……」
と、電話の向こうで息を飲む気配がした。
「蒼太?」
蒼太が無言になってしまった。
どうしたんだろう?
そして俺の電話の様子を見ていた南さんが微妙な顔をしているのは何でだろう?
『それって、男?』
「うん。バイト先の社員さん。いつも厨房にいるから蒼太わかんないかもだけど…」
『今、その人と二人きりなの?』
蒼太の声がものすごく怖いんだけど。酔っぱらって連絡ができなかったから怒られるのは覚悟してたけど…。
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