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『今から迎えに行く』
「え?蒼太、家の仕事は?」
『いいから。すぐ行く。場所教えて』
こんなキツイ言い方をする蒼太初めてだ。
俺は急いで南さんにここの住所を教えてもらった。
『30分で行くから』
そう言うと蒼太は電話を切ってしまった。
「彼氏、相当怒ってたみたいだね」
南さんが苦笑する。
「酔っぱらって人様にご迷惑おかけしたんだから怒られて当然です…」
呆れて嫌われちゃったのかな。蒼太はいつだって優しかったのに、あんな冷たい感じで話されたの初めて…。頭はまだ痛いし、泣けてきちゃった。
「大丈夫?」
よしよしと頭を撫でてくれる南さんのあったかい手が、悲しい気持ちを少しだけ和らげてくれる。
「彼氏の気持ちもわかるけどね…。遙人君が可愛いから心配でたまらないんだろうね」
「俺、男だし別に可愛くないです」
俺の周りには、俺のこと可愛いって言う人が多いけど何なんだろう。
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