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嫉妬
エントランスの前に停めてあった蒼太の車に乗り込む。これ、なんとかっていう外車だよな。全然揺れないし滑らかに走るんだな。
て、そんなことを思う間も蒼太はずっと無言で運転している。
「あの…………ごめんなさい。お仕事の途中だったんでしょ………」
返事はない。
弱いくせにお酒を飲んで酔っぱらって、心配する蒼太の電話にも出れず、吐いて職場の人に迷惑をかけ…………こんな最低な俺に愛想をつかしたんだ。
口もききたくないくらいに。
「……………っふっ」
気づけば俺はポロポロとみっともなく涙を流していた。
「遙人………?」
運転していた蒼太が俺の異変に気づいた。
「遙人、泣いてるの…」
困った顔で俺を見ると、蒼太は車を近くのパーキングに停めた。
「ごめん…なさい。俺………最低で」
謝罪の言葉を絞り出す。
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