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本編。
俺には猛烈に好きな人がいる。
赤門高校一年二組、出席番号二十九番の冬咲天音。俺と同じクラスの女子生徒。茶髪のセミロングに、とろんとした眠たげな流し目。大人っぽいのにあどけなさが残る童顔がマジでそそる。
勉強に関しては常に学年十位以内をキープ。大抵のことも卒なくこなしてしまう。……おかげでどこか人を寄せ付けない孤高感があるけれど。
彼女は授業直前まで勉強しかしない。だから授業が始まる直前を見計らい、俺はいつも通り話しかける。
「天音さ~ん! 今日という今日は俺と付き合ってくれ~い!」
「お断りします夏村君」
そして、いつもどおりに振られるのが毎朝の定番だった。
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