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あ、明日土曜日じゃないか、これじゃ渡せないな。
月曜日に渡すことになりそうだ。
霧の文字が名前に入っている奴か。
たまたまだといいんだけどな、
さっきのあの言葉は俺のことを知っているような話し方に思えたんだが
深読みのし過ぎってこともあるが、そんなことを考えても仕方がないな。
・・・・・・・
やっぱり偶然じゃないはずだ、
このタイミングでの美緒さんからの依頼はどうも不自然すぎる。
しかし、霧はこの前いなくなったばっかりじゃなかったっけ
替え玉としてはさすがに早すぎると思うんだが
そんなにも優れたやつなのか、はたまた俺とおんなじか・・・
まぁ聞くのが早いな。
プルルルル
『はい、こちら探偵事務所セルヴォ 人影千夏がお受けいたします』
「あ、ご無沙汰しております。炎城下です。」
『炎城下くん!お久しぶりですね! あ、聞きましたよ また篠風さんに変な依頼されたみたいですね ふふっ』
ほんと何でも知ってんなこの人はやりずらい。。。
「いやーよくご存じですね ははっ
あの一つお聞きしたいんですけどいいですか?」
『私が知っている範囲なら答えてあげれますよ』
「霧って新しい奴 補充したんですか?」
電話越しでもわかる、空気が変わった。
『炎城下愉快くん なぜそれを知っているのかな。君には知られるはずがないことなんですが。まぁいいです。補充したわけではない。いま適正試験中だ。』
「あ、そうなんですね ありがとうございました。」
ピっ
すぐに電話を切った、なぜかわからなかったが体が勝手に反応してしまっていた。
探偵事務所セルヴォは表向き探偵事務所という看板でしているが
本当は何をしているか俺にもわからない。
ここに俺は5歳の時に入った。いや入るしかなかったというべきだろうか。それが俺が生まれてきた意味と散々言われた。
もともと縛られることは嫌いだった。しかしここにいる15人の仲間はおかしい奴ばかりでここに居れるなら俺はそれでもよかった。
人は一人では生きれない
俺が思う理由としては【寂しい】からじゃないのかと思っている。
一人は心細く不安が募っていく。
幼少時代の楽しい記憶は15人との記憶しかない。
家にいる時間は何もない空っぽの自分が精一杯人間として生きていくことしかしていなかった。
雨宮かえでを羨ましいと思ったことは正直何度もある
できることなら普通の生活を送りたかった。
友達を作り遊びにも行きたかった。
習い事をして両親に褒めてほしかった。
そしていつからだろう。雨宮かえでを憎く見えてしまったのは。
純粋な憎悪とはこのことだろうか、殺してやりたい、俺と同じ目にあわしてやりたい。
一人がどんなに辛いのかあいつには一生わかることはないのだろうな。
こんなことを考えていたのが幼少時代の炎城下愉快という男だ
しかし俺にも親友と呼べる友がいたんだ。
そいつが霧ケ谷知樹(5th)
何もするのも一緒にいた。おれの二つ上の先輩だった。
仕事に行く場合は何故か女と必ず行動していた。
とっても優しいやつでまだ俺が15thだった時
7歳で5th スター持ちは快挙だと言われ期待の星ともてはやされていた。
セルヴォでは階級が上がるためには
1 任務を完璧に遂行できる
2 セルヴォに邪魔な人間を排除する
3 母国での立場
というものが階級を上げるには重要になってくる
スター持ちというのは、何かしらの特殊能力をもっていることが絶対条件で、必ず首に星のタトゥーが浮かび上がる。
知樹の特殊能力は「霧の中に入った物の考えていることが分かり動きを10秒間止める」というものだ
知樹はスター持ちしかも5thだ。実力は相当なものだが、それを気に食わない奴もいるのが当たり前のことだ。
下の階級こそ そういう話を聞いてしまうものなのだが
僻んでるだけだとわかっていた
しかしそれでも知樹は親友だ
そんな話を聞いて俺はいい気にはならなかった。
そんな奴らを片っ端から殺していった。
知樹のために
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