アナログワープ

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アナログワープ

この世で最も原始的な移動方法は何か? 電気を使った乗り物など論外、自転車ですら19世紀の発明だ。 では、我々の移動手段から文明を排除していったものが最も原始的な移動方法になり得るのか? そうじゃないはずだ。なぜなら我々は考えているからだ。 考えている時点で文明に頼りきっている。言葉も、文字も、そして考え方も。常に新しい考え方が生み出され、それまでの基準は変わっていく。現に、この問題をいつの時代に問うかで答えは変わる。 例えば、この問題を江戸時代に考えたとしよう。すると答えは、"徒歩での移動"となるはずだ。もしかすると、今でもそうだろう?と思うかもしれない。 だが、答えはノーである。それは移動するという行動を新しい視点で捉えることができるからだ。 江戸時代と違い、現代の科学では地動説が正しいとされている。地球が常に自転を続けている以上、宇宙的な視点で考えると常に移動を続けていると言える。つまり"ただここにいる"だけで移動は成立しているのだ。 そして、どんな事象も進化するほど細分化されていくのだから、全てに共通することは最も原始的と言える。つまり、"ただここにいる"という万物に当てはまる移動方法が最も原始的なのだ。
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