Sadism Ⅴ

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 これまでにも絶頂を迎えたことはある。だけだ、それは全て自慰行為によるものだ。他人の手によって絶頂を迎えるのは、これが初めてだ。  同じ絶頂であるはずなのに、快感の強さは全然違う。より強い快感で、より激しい絶頂を迎えた私の体は、ひどく敏感になっている。ほんの少し触れられただけで、ビクビクと体が反応する。 「イッたから、手錠外して……」  私は男に言った。だけど、男は感情のこもっていない冷たい視線で私を見ながら、 「何を言ってるんですか? 本番はこれからでしょう?」  と言い、ベッドの下から何かを取り出した。何とか首を上げて男の方に目をやると、その手には電マが握られている。 「ちょっと、何するつもりよ!? 変なことしないでよ!!」  私は男に訴えた。 「電マは初めてですか?」 「当たり前でしょう!! そんなもの、普通は使わないでしょう!?」 「普通は使わない……それはどうだかわかりませんが、普通を追い求めていても、普通の快感しか得られません。本当の快感を得るためには、どんどん世界を広げていかなければ」 「は!? あんた、頭おかしいんじゃないの!?」 「まあ、そう言わずに。試してみればわかりますよ」  男はそう言うと、電マの電源を入れて、ゆっくりと私の花弁に近づけてゆく。
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