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僕は、そういった “事由” で
仕事がいつも長続きしなかったのだ。
ピザ屋のバイトを辞めてから、
もうすぐ一ヶ月が経とうとしていた。
僕は………………………
( ………しかし、この…
潮(うしお)ハイツは………
静かなアパートだよな……。
全室埋まってるらしいけど…、
人が出入りしてるところなんて…
今まで見た事がない………。
………まぁ、今の俺にとっちゃ…
うってつけの場所………だな。
誰にも会いたくないんだから……。
………でも…
いつまでもこんな生活……
していられない………よな。
………分かってる、
俺だって… 分かってはいるけど…
体が言う事を聞いてくれない……。
………んぁっ、くそっ!!
ダメだ、ダメだっっ……
そんな事を言ってたら……
いつまで経っても… 俺は…… )
そう思い、約一ヶ月ぶりに
外へ出ようと試みるのだった。
「 ………ふぅ~~~~~ 」
僕は、太陽の光に目を細めながら
深呼吸をした。
小鳥の囀りや、木々の緑……といった
爽やかさは、まるでない。
………………だが、
“久々の外の空気” は
とてもうまいと感じていたのは
確かだった。
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