(6) 二十五年後

2/3
前へ
/35ページ
次へ
真守「あ。そうだ、こないだね、取り出したよ」 灯琉「ナニを」 真守「タイムカプセル。 今ちゃんとこの息子がさ、見つけちゃったんだって。あの場所を。 それ聞いて、今ちゃん焦っちゃって。家変わってないの今ちゃんだけだから、見つけられちゃう前に掘り出して貰ったんだよ。 こないだ集まったのもそれの為でさ」 灯琉「は?タイムカプセル?ナニソレ。 俺、一切聞いてない」 真守「あれ、言った事なかったっけ? 灯琉がそっちに行って割りとすぐ後に、4人であそこに埋めに行ったんだよ」 灯琉「えええ。俺、一切聞いてない」 真守「ごめんごめん。灯琉が来るの分かってたら、開けないで待ったんだけど。もう見ちゃったよ」 灯琉「別にいいけどぉ。 で?何入れてた?」 真守「会った時に見せるよ。順番に回しててさ、今ちょうど俺の番なんだ。 灯琉に渡すから、芦屋クンにも見せてやって」 灯琉「おー。で、何入れてた?」 真守「だから、会った時に見せるってば。今聞きたいの? あー…あ。俺ね、灯琉の手紙を入れてたよ」 灯琉「は?」 真守「灯琉ってば、手紙書くって言ったクセに、まともによこしたのこの一通だけだったよね。 あとは電話か年賀状。 読んで聞かせてあげようか?聞きたい?(笑)」 灯琉「あーあーあー!いい、いい!恥ずかし過ぎんだろ! お前、俺が行くまで絶対読むんじゃねーぞ!?」 真守「ふふふ。灯琉、何書いたか覚えてるの?」 灯琉「覚えてねーけど! こっ恥ずかしいに決まってる! あああ、くそ。 じゃあな。また日が近くなったら連絡する。夜遅くに悪かったな。オヤスミ」 真守「あはは。待ってるよ。オヤスミ…」 プツッ。ツー。ツー。 …
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加