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(6) 二十五年後
灯琉「ーーーあ。もしもし?真守?俺俺」
真守「もしもし。灯琉?珍しいね、こんな時間に電話なんて」
灯琉「悪ぃ悪ぃ。今さぁ、パソコン見ててさぁ。
なにげにサイクリングロード検索したらさ、お前知ってた?名前変わってんの!」
真守「えっ?そうなの?
………へえぇー、ほんとだ!知らなかった。
あっ。あそこって、元は電車の線路跡だったんだ?これも今初めて知った。へえぇ」
灯琉「あ、今見てる?だよなぁ。しょっちゅう遊んでたのに、全然気にしてなかったもんなぁ」
真守「灯琉?わざわざそれを言うために電話したの?」
灯琉「あっそうそう!俺さぁ、次の週そっちの出張、丸一週間決まったんだ。
それでさ、うちの嫁さんが…週末もそっちでゆっくりしたらって」
真守「えっ?ほんと?灯琉、こっちに来るの?」
灯琉「おー。だから金曜日、お前ん家に泊めて貰えないかなぁ。奥さん、ダメかなぁ。ダメなら実費でホテル取るけど」
真守「いいよいいよ。俺、言っとくから。泊まりに来て。
そうかぁ。いつか、こんな日が来るとは思ってたけど」
灯琉「だなぁ。25年ぶり。
まさかあの時は、同じ会社に就職するとは思ってなかったしなぁ。支部が違うけど」
真守「だよね。出張があっても、俺が灯琉の支部に行くだけだったしね」
灯琉「なぁ、みんな元気?」
真守「元気だよ。こないだ久しぶりに集まったんだよ。
えだっちはフロア長任されて忙しそうだし、今ちゃんは実家の美容院で姉さんと頑張ってる」
灯琉「俺もこないだ、芦屋と飲んだよ。薬剤師の仕事も大変そうだな」
真守「灯琉と芦屋クンが飲むって、未だに想像が難しいんだけど(笑)」
灯琉「そうか?俺達けっこう仲いいよ(笑)
芦屋も、そっちに帰りたがってた」
真守「そっか…芦屋クンとも、大学卒業以来会ってないからね。
就職でそっちに出ていって…まさか灯琉と再会してたとは、ビックリだったよ」
灯琉「そうだなぁ…
とにかくさ、えだっちと今田にも会いてぇし、金曜日集まれないかなぁ」
真守「いいよ。声掛けとく。芦屋クンに申し訳ないね」
灯琉「だな。まぁ、アイツには当日電話してやろうぜ(笑)」
…
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