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俺の部屋に小石が落ちてたんですが
一日の仕事を終え、疲れた身体を引きずるようにしながら帰宅した。
独り暮らしなので、待っている人はいない。
動物等の生き物も飼っていないので俺の帰宅を喜ぶものはいない。
悠々自適の独身貴族なのだが、彼女の一人もいないので寂しい。
「ただいま。」
誰もいなくとも、つい、言ってしまうんだよな。
うん?
足先に何かが当たった。
「・・・、どうしてこれがここにあるんだ?」
それは、今朝ゴミ袋に入れてゴミ収集に出した筈の、小石だった。
「・・・ああ、きっと袋に穴が空いてて偶々落ちたんだな。
そう、偶然だ、偶然。」
拾ってゴミ箱へーーー
いや、外に捨てるか。
家の回りはアスファルトなので、ちょっと離れた場所にある公園の端に捨ててきた。
その夜の夢は手足が生えたウズラの卵形の小石に追いかけられた。
悪夢という程では無いが、目覚めは気分が悪かった。
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