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エピローグ
やっと、寒い季節が終わって暖かくなってきた。耳がすぐに赤くなってしまうような季節を忘れるほどに綺麗に花が咲き始めた。山の中にある小さな和服店は大きな看板を掲げ今日も少年に守られている。そこに近づく一人の女性がいた。女性はこの日の為にと言わんばかりの美しい着物を着て店に向かって行く。
「花鮮やかって看板にあるけどこれはあなたが考えたの、奏太?」
「律さん!おっ、おかえりなさい!」
少年は声の主を見るなり、走ってぎこちなく言った。少年も驚いていたが、すっかり低くなった声とは裏腹に高くなった背丈を見て女性も驚いていた。女性はただいまと言って店の奥へと入って行った。新しい季節になって、花が輝くように店も店主ガ戻ったことを嬉しそうに明るく輝いていた。
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